実際の患者推計:約31.7万人
医療助成を受けている登録患者:約14.6万人
(2023年の全国疫学調査)

突然襲ってきた潰瘍性大腸炎
40歳のころだった。
会社を立ち上げて、まだ数か月。
家族を抱え、借入金もあった。
絶対に会社をつぶしてはいけない。
そんな緊張の中で毎日を走っていた。
気づけば夜。
冷たいビールを大びんで3本。
それが、当たり前の生活になっていた。
そして、ある日突然だった。
「お腹が痛い……」
何度もトイレへ駆け込む。
下痢に血が混じるようになった。
今まで大病などしたことがなかった私は、
何が起きているのかわからなかった。
「潰瘍性大腸炎ですね」
病院で検査を受けた。
当時は、近くに専門で診てくれる病院も少なかった。
大腸カメラを入れ、
腸の組織も取った。
そして先生は静かに言った。
「潰瘍性大腸炎ですね」
原因ははっきりわからない病気。
とにかく薬を飲み続けるしかないと言われた。
「一生薬を飲んでください」
そう言われたが、私はどこか納得できなかった。
原因がわからない。
なのに、一生薬を飲み続ける。
もちろん医療は必要だと思っている。
ただ、そのころから私は、
「自分でも考えなければいけない」と思うようになった。
再発した理由
最初の症状は、数年かけて落ち着いた。
薬を飲みながら生活し、
やがて出血も下痢も止まった。
そして私は、自分の判断で薬をやめた。
ところが数年後、
また再発した。
きっかけは、はっきり覚えている。
ゴルフのあと、
仲間と朝まで酒を飲み続けた。
最後まで残っていたのは私だった。
翌日、激しい下痢。
そしてまた、あの症状が始まった。
そのとき思った。
酒だけではない。
根本にあるのは、ストレスだと。
火妖人の声
・借金の不安
・経営のプレッシャー
・人付き合いの疲れ
・夫婦関係のストレス
私は何でも真剣に考えすぎる癖があった。
だから、常に心が緊張していた。
そんなとき、
心の中の火妖人がつぶやいた。
「もっと、いい加減に生きればいいじゃないか」
その言葉で、少し肩の力が抜けた。
真面目に生きることは悪くない。
ただ、真面目すぎると、自分を壊す。
私は少しずつ、
「気持ちをフリーにする」ことを覚えていった。
自分なりの付き合い方
再発してからは、
生活を大きく変えた。
まず、たばこをやめた。
次に酒をやめた。
間食もやめた。
甘いジュースや甘いコーヒーもやめた。
そして、食べすぎないことを意識した。
特に調子が悪いときは、
ご飯を半分にして、
空腹の時間を作るようにした。
すると、不思議と体調が落ち着いていった。
もちろん、これは私自身の体験であって、
誰にでも当てはまるとは思っていない。
薬も大事だと思っている。
ただ私は、
「生活」と「考え方」も、
体に大きく影響すると感じてきた。
カラオケだけは違った
不思議だったのは、
ゴルフではストレスが増えるのに、
カラオケでは発散できたことだった。
歌っている時間だけは、
頭の中が空っぽになる。
作詞作曲やブログを書くこともそうだった。
心が少し自由になる。
それが、私には合っていたのだと思う。
病気との付き合い方
30年近く付き合ってきて、
再発は3回ほどあった。
そのたびに思った。
病気は、
薬だけで付き合うものではない。
食べ方。
休み方。
考え方。
力の抜き方。
全部つながっている。
今は、酒もたばこもやらない。
甘い飲み物は飲まない、水とお茶。
腰や肩の痛みはある。
それでも生活は安定している。
人生は、なるようにしかならない。
だからこそ、
少し力を抜いて生きる。
それが、
潰瘍性大腸炎と長く付き合ってきた
黒子ダイルの答えだった。
※薬を飲む飲まないは
先生と相談して決めてください。
―― 著者:黒子ダイル


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