
乾燥大魔王の逆襲
秋が終わり、冷たい風が吹き始めました。
「ハハハハ!」
乾燥大魔王です。
「今年こそ、お肌のお城をいただくぞ!」
乾燥した風が、お城の壁を少しずつ壊していきます。
ヒアロンは必死に水のバリアを作ります。
でも、一人では限界がありました。
「みんな、力を貸して!」
ヒアルロン酸の仲間たちが集まる
最初に駆けつけたのはセラミド隊でした。
「角質層は任せて!」
細胞と細胞のすき間をしっかり埋め、お肌のうるおいを逃がさないように守ります。
次に現れたのは植物性コラーゲン。
「うるおいを届けるのは私の仕事。」
角質層へやさしくうるおいを届け、お肌を乾燥から守ってくれます。
ナノコラーゲンも元気よく飛んできました。
「僕は体が小さいから、角質層の奥まで行けるよ。」
ヒアロンは安心したように笑いました。
「ありがとう。」
「これなら乾燥大魔王にも負けない。」
その時、小さなヒアルロン酸たちも次々と姿を現しました。
ヒアルロン酸には、こんな仲間がいます
- ヒアルロン酸Na(一般的な保湿成分)
- 低分子ヒアルロン酸(角質層まで浸透しやすい)
- 加水分解ヒアルロン酸(小さく分解され、なじみやすい)
- 高分子ヒアルロン酸(肌表面にうるおいの膜をつくる)
- アセチルヒアルロン酸(高い保湿力で「スーパーヒアルロン酸」とも呼ばれる)
- クロスリンクヒアルロン酸(うるおいを長く保ちやすい)
- 頭皮・毛髪用ヒアルロン酸(髪や頭皮の保湿をサポート)
- 医療分野で使われるヒアルロン酸(関節や美容医療などで活躍)
ヒアロンはうれしそうに話し始めました。
「同じヒアルロン酸でも、それぞれ役割が違うんだ。」
「でも、僕たち美容成分の仲間は、医療用のヒアルロン酸とは少し違う。」
「医療用の一歩手前まで精製された仲間もいるけれど、僕たちの一番大切な仕事は、お肌の表面で水のバリアを作ることなんだ。」
「お肌のうるおいを守り、大切な美容成分を外へ逃がさないようにすること。」
「それが僕たちの誇りなんだよ。」
お城に笑顔が戻る
その頃、一人の40代の女性が鏡を見つめていました。
「最近、お肌が乾燥するなあ。」
「どうしてなのかしら。」
そうつぶやいた時、ふと昔使っていたヒアルロン酸を思い出しました。
「あの時、ヒアロンは、お肌の表面を守る仕事なんだって言っていたわ。」
幸い、ドレッサーの上には、まだヒアルロン酸のボトルが置いてありました。
女性は手のひらにヒアルロン酸を取り、両手でそっと温めます。
そして、やさしく顔全体を包み込むようになじませました。
「わあ……。」
「やっぱり違う。」
「私、少し勘違いしていたのかもしれない。」
その瞬間、ヒアロンは満面の笑みになりました。
「おかえりなさい。」
「また会えたね。」
その言葉と同時に、お肌のお城には水のバリアが戻ってきました。
角質層の奥ではナノコラーゲンがうるおいを届けています。
植物性コラーゲンは角質層の保湿を支えています。
セラミド隊は細胞と細胞のすき間をしっかり守っています。
そして僕、ヒアロンは、お城の一番外側で最後の砦となり、水のバリアを作り続けていました。
乾燥大魔王は悔しそうに空を見上げます。
「今日は負けたか……。」
そう言い残すと、冷たい風とともに帰っていきました。
でも、ヒアロンは知っています。
乾燥大魔王は、冬になればまた必ずやって来ることを。
そして、世の中には、いろいろな広告や情報があふれています。
また、ご主人である女性が迷ってしまわないか。
少し心配になることもあります。
それでも僕たちは、今日も休むことなく働き続けます。
いつまでも若々しい肌を守るために。
それが僕たち美容成分の使命だからです。
ヒアロンから最後のメッセージ
僕は、お肌の中へは入れません。
でも、悔しくなんかありません。
ナノコラーゲンには、ナノコラーゲンの仕事があります。
植物性コラーゲンには、植物性コラーゲンの仕事があります。
セラミドには、セラミドの仕事があります。
そして僕には、お肌の一番外側で水のバリアを作り、大切な美容成分を外へ逃がさないという仕事があります。
誰が一番ではありません。
それぞれが自分の役割を果たすことで、お肌は守られているのです。
だから、もし洗顔のあと、僕のことを思い出してくれたらうれしいです。
今日も僕は、お肌というお城の一番外側で、あなたを守っています。
これからも、ずっと。
また逢いましょう。
黒子歌人

