
美容成分物語は、化学的な根拠だけでなく、美容の現場を40年以上見続けてきた
裏方の経験を織り込みながら書いています。
成分の働きや特徴を、物語を通してわかりやすく伝えていけたらと思います。
僕はヒアロン
こんにちは。
僕はヒアルロン酸。
この物語では「ヒアロン」と呼んでください。
僕は1gで約6リットルもの水を抱え込める力を持っています。
美容成分の仲間たちからは、「ギャル曽根みたいだね。」なんて冗談を言われることもあります。
でも、人間界では少しだけ誤解されていることがあるんです。
僕はとても体が大きな成分。
ナノコラーゲンより何百倍も大きいので、そのまま肌の奥へ入っていくことはできません。
でも、それで困ったことは一つもありません。
僕には、僕だけにしかできない大切な仕事があるからです。
僕が守っているお城
僕が働いている場所は、お肌の一番外側。
ここは、お肌というお城の城壁です。
毎日、紫外線。
ホコリ。
PM2.5。
花粉。
乾燥。
いろいろな敵が攻めてきます。
だから僕は、水のベールをつくり、お肌をやさしく包み込みます。
水分が逃げないように。
外からの刺激が入りにくいように。
僕は今日も、お城の門番として働いているんです。
乾燥大魔王がやってきた
ある冬の日。
空から冷たい風が吹き始めました。
「ハハハハ!」
乾燥大魔王です。
「水分なんて全部奪ってやる!」
乾燥大魔王は、お城の壁を少しずつ乾かしていきました。
「みんな、急いで!」
僕は仲間たちに声をかけました。
そこへ現れたのはセラミド隊です。
「ヒアロン、一緒に守ろう!」
僕は水のバリアを作り、セラミドは角質層のすき間をしっかり守ります。
二人で力を合わせると、お城は少しずつ元気を取り戻しました。
「ありがとう。」
僕は心からそう思いました。
美容成分は、一人ではなく、仲間と力を合わせることが大切なんです。
誤解されてしまった僕
ある40代の女性がいました。
毎朝、洗顔のあとに僕を使ってくれていました。
ところが、ある日から急に使われなくなってしまったのです。
テレビで、
「ヒアルロン酸が肌の奥まで浸透。」
そんな言葉を聞いたからでした。
僕は少し寂しくなりました。
「僕の仕事は、お肌の表面を守ることなんだけどな……。」
もちろん、お肌の中にもヒアルロン酸はいます。
でも、それは線維芽細胞たちが作ってくれている仲間。
僕がそのまま中へ入っていくわけではありません。
それでも僕は落ち込みません。
僕は僕の場所で頑張ればいい。
そう思っているからです。
仲間たちと力を合わせる
乾燥が気になる季節には、植物性コラーゲンが角質層までうるおいを届けてくれます。
ナノコラーゲンという小さな仲間もいます。
そして僕は、一番外側から水分を守ります。
役割はみんな違います。
だから、誰が一番偉いということはありません。
みんなで力を合わせることが、美しい肌への近道なんです。
ヒアロンからのお願い
最後に、一つだけお願いがあります。
「少しだけ塗ればいいかな。」
そう思う人もいます。
でも量が少なすぎると、お城全体を守る水のバリアは作れません。
適量を手のひらでやさしく温め、お顔全体を包み込むようになじませてください。
エステでは、手のひらで肌にやさしく密着させながら押さえる「ヴァントゥース」という技法を取り入れることがあります。
強くこする必要はありません。
やさしく包み込むだけで十分です。
最初は少しベタつくように感じるかもしれません。
でも、そのベタつきは僕がお肌を守る準備をしている証拠です。
しばらくすると、しっとり落ち着いてきます。
ちなみに、僕は小麦などを原料に発酵して作られることがありますが、精製されたヒアルロン酸には小麦のたんぱく質はほとんど残らないと言われています。
それでもアレルギーは人それぞれです。
心配な人は、少量から試したり、専門家に相談してくださいね。
僕は、お肌というお城の一番外側で、今日も君を守っています。
これからも、ずっと。
また会おうね。
黒子歌人
ヒアルロン酸物語|第2話

