
空から降り注いてきた光の正体
空から降り注いできた光は、ゆっくりと素肌高原へ舞い降りた。
光の中から、小さな仲間たちが次々と姿を現した。
「こんにちは。」
やさしい声が高原に響いた。
シー君たちは思わず顔を見合わせる。
「君たちは……。」
光の仲間たちは笑顔で答えた。
「私たちは、人間の研究室で生まれたビタミンC誘導体です。」
「みんなの肌をもっときれいにしたい。その願いを受けて、この素肌高原へやって来ました。」
シー君の目が大きく輝いた。
「そうか……。君たちも仲間なんだ。」
ホワイト君もうれしそうに微笑む。
「ようこそ、素肌高原へ。」
ビタミンC誘導体と最後の戦い
その瞬間だった。
ビタミンC誘導体たちの体から、やさしい光があふれ出した。
その光は素肌高原全体を包み込み、荒れ果てていた大地に少しずつ緑が戻り始める。
メラニン軍団はまぶしい光に包まれ、次第に後ろへ退いていった。
そして、紫外線大王も苦しそうな声を上げながら、黒い雲の中へ姿を消していった。
静けさが戻る。
長かった戦いは終わったのである。
レッド君は大きく息を吐いた。
「これで安心だね。」
イエロー君もうれしそうに飛び跳ねる。
「素肌高原も、また元気になっていくね。」
しかし、シー君は遠くの空を見つめたままだった。
「いや……まだ終わったわけじゃない。」
仲間たちはシー君を見た。
「紫外線大王は、必ずまたやって来る。」
「太陽は毎日昇る。晴れの日だけじゃない。曇りの日でも紫外線は降り注いでいる。」
「だから僕たちは、毎日この素肌高原を守らなければならないんだ。」
ビタミンC誘導体たちは静かにうなずいた。
「私たちも一緒に守ります。」
シー君は少し笑った。
「ありがとう。」
「君たちが来てくれたから、今回は勝つことができた。」
シー君から読者へのメッセージ
そして、シー君は読者へ向かって語りかけるように話し始めた。
「でも、一つだけ覚えていてほしいことがある。」
「メラニン軍団は、決して悪者じゃない。」
「みんなの肌を紫外線から守るため、黒いメラニンへ姿を変えて戦ってくれているんだ。」
「だから、シミそのものが悪いわけじゃない。」
「ただ、年齢を重ねると肌の力は少しずつ弱くなり、メラニンが残りやすくなる。」
「だからこそ、毎日の積み重ねが大切なんだ。」
シー君は光の剣を地面に立てた。
「君たちが毎日ここへ来てくれれば、僕たちはもっと安心して素肌高原を守ることができる。」
「君が僕たちを忘れなければ、素肌高原はきっと元気でいられる。」
「その小さな積み重ねが、未来の素肌をつくっていく。」
遠くの空には、夕日が静かに沈み始めていた。
荒れていた大地には少しずつ緑が戻り、小さなコラーゲンの子どもたちが元気に走り回っている。
ホワイト君、レッド君、イエロー君、そしてビタミンC誘導体の仲間たちは、その光景を見ながら笑顔になった。
シー君は最後に大きく手を振る。
「僕は、この素肌高原で紫外線大王とメラニン軍団を見守っている。」
「だから、また明日も会いに来てね。」
「君の未来の素肌は、今日の一歩から始まる。」
いつまでも、この素肌高原が平和でありますように。
シー君より
この物語のモデルについて
この物語に登場するビタミンC誘導体は、実際の科学技術をモデルにしています。
1989年、岡山大学の山本格(やまもと いたる)教授によって、安定・持続型ビタミンC誘導体「AA-2G(L-アスコルビン酸2-グルコシド)」が開発されました。
ビタミンCにブドウ糖を結合させることで、熱や酸化に強くなり、肌の中でゆっくりとビタミンCとして働く画期的な技術です。
現在では世界中の化粧品やスキンケア製品に応用され、多くの人々の素肌づくりに役立っています。
この物語は、そんな実際の科学への敬意を込めて生まれました。
著者:黒子歌人

